犬が食べてはいけない野菜と食べていい野菜の危険度別まとめ

人間が食べられるものと犬が食べられるものには違いがあり、特に野菜の中には食べてはいけない野菜と食べていい野菜が様々あります。

中には注意しないと誤飲・誤食で命の危険にさらされるような危険度の高い野菜もあります。

そこで今回は絶対に食べさせてはいけないものと注意して量を調節したり調理すれば食べられるもの、積極的に食べさせたいものをまとめてみました。

食べさせてはいけない野菜については危険度別に区分けをして解説していますので迷った時はチェックしてみましょう。

犬に野菜は必要なの?

そもそも犬にとって野菜という食べ物は必要なのか?というと、必要な食べ物だと言えます。

よく犬は肉食動物で食物繊維を上手く消化できないから与えてはいけないという風説がありますが、食物繊維というのは消化せずにうんちとして排出されるものなので厳密に言うと犬じゃなくても消化できません。

そして犬はどちらかというと肉食寄りの雑食動物で、人間と近いところがあります。肉をメインとしながらも草食動物の内臓と一緒に消化途中の草などを食べるという習慣が野生の頃から遺伝子レベルで存在します。

しかも最近の研究で犬の腸内環境に食物繊維が良い影響を与えることがわかっており、野菜を与えることはいろいろなメリットがあると考えられるようになってきているのです。

それでも人間よりも肉食寄りであることは確かなので普段メインで食べるお肉(たんぱく質)の補助的な位置で与える必要はありますが、犬にとっても野菜は意味のある必要なものなんです。

犬に食べさせてはいけない野菜とその危険度

まずは犬に食べさせてはいけない野菜について、危険度に応じて「」「」「」でまとめてみました。

  • 危険度「」・・・食べることで高確率で死に至る
  • 危険度「」・・・食べると死に至る危険がある
  • 危険度「」・・・デメリットとメリットが両方ある

早速、野菜の品目別に見ていきましょう。

たまねぎ・長ネギ(危険度:高)

代表的過ぎてご存知の方も多いかもしれませんが、玉ねぎも長ネギも、葱類は全部ダメです。

犬の赤血球を破壊するアリルプロピルジスルファイドという成分が含まれているため、溶血性の貧血や血尿を引き起こしてしまい、最悪の場合死に至ります。

致死量は体重1kgに対して20gと言われていますが、わんちゃんの体質や体格によってもまちまちなので、もし食べてしまった場合はすぐに吐かせましょう。

もし吐かせることに失敗したなら即病院に連れて行くことが大事です。楽観して放置し、成分を吸収してしまった場合は本当に危険な状態になります。

ニラ(危険度:高)

ネギ類とも似たような成分で硫化アリルという成分が含まれており、これが犬の赤血球を破壊します。溶血性貧血や血尿につながるため致命的です。

加熱しても一切毒性は和らぐことが無く、煮だしたスープ類などを飲んでも同様の毒性を示すのでかなり注意が必要です。

食べた直後には特に影響がない場合もあるのですが、2~3日経ってから容態が急変するということもありますので、発覚したら病院行き待ったなしです。

アボカド(危険度:高)

アボカドにはペルジンという成分が含まれており、中毒症状を引き起こします。具体的には成分が吸収されて以降、下痢や嘔吐などの症状が現れます。

下痢と嘔吐による脱水症状がひどく続いてしまうと命を落としてしまうことも多くかなり危険度高めな野菜ということになります。

たまにアボカドを使っているドッグフードが出回っていることがありますが、あれは毒性の低い品種のアボカドを使っているというだけで無毒ではないです。

基本的にアボカドはダメなんだと覚えておきましょう。

ぎんなん(危険度:高)

ぎんなんにはアルカロイドという中毒性物質が含まれており、人間でも食べ過ぎると死んでしまうケースがあります。

特に犬はアルカロイドの解毒力が人間よりも弱いので、ほんのちょっとでも致命的な中毒を引き起こしてしまうことがあります。

具体的には不整脈・呼吸困難・けいれん・嘔吐・下痢などになってしまいますので絶対にあげないように注意しましょう。

たけのこ(危険度:中)

たけのこは生食は基本的にNGです。硬くて繊維がしっかりしているので喉に詰まらせてしまいます。

加熱して細かくすればギリギリ大丈夫。ただし栄養価として犬に対して何か期待できるものは入っていないのであげるだけ無駄ということになります。

食物繊維がキツすぎるので食べたらまず消化不良を起こしてしまいます。犬から進んで食べることがあるとは思えませんが、人間にとってはご馳走なのでお裾分けしてあげたいという気持ちがトラブルの元になります。

ネット上の犬の手作りご飯系のレシピで筍を使ったメニューを見かけることがありますが、あげない方が絶対にいいです。

きのこ類(危険度:低)

きのこ類は人間が食べられるものであれば大丈夫です。野生のものは絶対にNGです。

椎茸や舞茸あたりはβグルカンやレンチナンといった抗がん作用のある成分が含まれているため、ガンを患っているわんちゃんの両方食としてはアリです。

食物繊維が豊富なので便秘解消にもなるものの、食べさせ過ぎると消化不良を起こしてしまいますので必ず細かく刻んで少量ずつあげましょう。目安は15g程度です。

にんにく(危険度:低)

にんにくは与えると下痢をすることが多いです。無害ではないので危険度アリとしています。

ただメリットもあり、血液がサラサラになったり殺菌作用があったりと人間でもありがたく思う効果が犬でも得られます。

ノミ・ダニといった寄生虫予防にもなるので下痢というデメリットがクリアできるならその子の体質によっては食べさせるのもアリです。

にんじん(危険度:低)

にんじんに含まれるβカロチンは犬に与えると肝臓に蓄積されてしまうため、与える場合は10g程度にしておく必要があります。

出来れば生食も控えたいですね。消化しきれずに下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。茹でたり小さく刻んだりした方がいいです。

犬が食べても大丈夫な野菜

続いては犬が食べても大丈夫な野菜についてです。

単純に犬が食べることが出来る上に栄養面でも犬にとってメリットのあるものがありますので、可能なら食事の中に取り入れてあげたいところです。

  • トマト・・・葉や茎はNGですが、熟した赤い実は大丈夫(15g程度)
  • レンコン・・・ビタミンやミネラルが豊富で生食も加熱もOK(15g程度)
  • 大根・・・葉も根もOKで、生でも大丈夫です。(10g程度)
  • キャベツ・・・加熱しても生でも細かくしていればOK(15g程度)
  • かぶ・・・根も葉も細かくすればOK(10g程度)
  • 白菜・・・生でも加熱してもOKです。(10g程度)
  • 小松菜・・・繊維質なので細かく切ってあげればOK(10g程度)
  • オクラ・・・生でもOKです。(10g程度)
  • パセリ・・・食物繊維で排便を促進します(小さじ1程度)

このあたりの野菜はグレードの高いプレミアムドッグフードであればよく使われていたりします。

食べさせるにしても条件や気をつけなくてはいけないこともあるため、自分で手作りのフードを作って与える際には使う量や調理方法には注意が必要です。

加熱すれば食べてもOKな野菜

以下の野菜は加熱さえすれば食べても大丈夫な野菜です。加熱しないで生食で食べさせるのは絶対にNGです。

死に至るようなものではないにしろ、体調不良になってしまって病院に連れて行くことになるかもしれません。

  • じゃがいも(サツマイモ・里芋含む)
  • ブロッコリー
  • かぼちゃ
  • アスパラガス
  • ピーマン
  • もやし
  • トウモロコシ
  • ごぼう
  • 茄子

加熱すれば大丈夫な野菜については、生の時に含まれている成分で加熱すれば効力を失うものが犬にとってのネックになっていることが多いです。

使われている食材が加熱済みという点ではドッグフードにもよく使われる食材が多いですね。

特にジャガイモを使ったドッグフードはアレルギー体質のわんちゃんにとってはかなり上質なドッグフードになります。

肉も魚もダメな極度のアレルギー体質の子のためにジャガイモで手作りフードを用意している飼い主さんも存在するのです。ただ、青くなっている皮や芽の部分は毒性があるので調理するにしても人間に食べさせるよりもはるかに気を遣わなくてはいけません。

ここにリストアップされている野菜はヒューマングレード(人間でも食べられる高品質)のプレミアムドッグフードを食べさせることで摂取した方が無難ですね。

犬の身体にいい野菜・ダイエットに最適な野菜

では逆に犬の身体にいい野菜はなんなのでしょうか?ここまではあくまでも「食べてもいいかどうか」で危険度を添えて野菜を紹介してきました。

ここでは身体の健康とダイエットという観点から犬にとってメリットのある野菜をリストアップして解説していきます。

キャベツでダイエット効果

キャベツは犬の身体と非常に相性がいい野菜で便秘予防に最適です。よく人間が「キャベツダイエット」などをするように、餌に混ぜることで食べ過ぎ防止にもなりダイエット効果が見込めます。

とは言っても生のままではダメです。与える時は茹でて柔らかくすること。生で与えたこともありますが、普通に吐き戻したりしてしまいます。

量をたくさんあげすぎるのもNGで、ドライフード30gに対してキャベツだけプラスするなら10g程度にしておくのが無難かもしれませんね。キャベツと一緒に他の野菜も混ぜるならまた調整が必要です。

それから味やニオイ的な部分でも犬にとって好まれやすいのでサッと湯がいていつもの餌に混ぜることですんなり簡単に食べてもらえることでしょう。

甲状腺に問題があるわんちゃんは食べない方がいいです。

にんじんで目の問題解消

ニンジンも食物繊維はたっぷりですので、便秘解消やダイエット効果が見込めます。それだけじゃなくβカロテンが含まれているので人間が食べた時と同じく目の調子や視力に対して効果を発揮します。

ただし、与える時はスティック状にしたものを更に千切ってあげるくらいまで小さくした方がいいですね。与える量も1日にスティック1本分くらいにするのが無難です。

生であげても大丈夫ですし、すりおろしてフードにまぶしても美味しいと思います。加熱することでβカロテンの吸収効率があがるので茹でてあげるのもいいですね。

大根で血液サラサラ

大根は「イソチオシアネート」という成分で血液をサラサラにしたり新陳代謝をあげるのでダイエット効果も見込めます。血流に関連するので心臓に負担がかかりやすい小型犬から超小型犬くらいのわんちゃんには積極的に与えていきたいところ。

茹でてもいいですし、生のままですりおろして普通に人間が食べるような大根おろしの状態にしてフードにかけるのもいいと思います。ただ、辛い部分は刺激が強いのでなるべくあげないように気をつけましょう。

大根の葉にもビタミン・ミネラル・カルシウムといった栄養がたっぷりです。シャリシャリした食感が犬的にも大ヒットみたいで、うちは大根を買う度に葉を全部犬たちにあげます。

きゅうりで水分補給

きゅうりは水分が多いので夏場の水分補給や便秘解消に効果的です。ただ、わんちゃんにとっては与え過ぎはデメリットになってしまうこともあるので与える時は量に注意してあげるといいでしょう。

与え方は加熱せず生のままで刻んであげれば大丈夫です。スティック状にカットしたものを更に手で細かくちぎってにんじんと同じような与え方をしてもいいです。

体格にもよりますが、本当にごく少量でいいので、刻んだものをフードの上にトッピングして彩りをプラスしてあげるのもいいですね。

モグワンドッグフードの公式サイトでは、きゅうりを使ったアレンジレシピを公開しているようなのでチェックしてみるといいかもしれません。

子犬には野菜をいつから食べさせていい?

子犬の身体の発育のために野菜を食べさせたいと考える飼い主さんも決して珍しくありません。結論から言うと子犬にも野菜は食べさせて大丈夫です!

ただし、出来れば生後3~4ヶ月経って、ドライフードをふやかさずに食べされるような月齢になってからが望ましいです。

それから子犬に野菜を食べさせる時は基本的には加熱して食べさせた方がいいです。どんなに犬が食べていい野菜でも犬の身体にいい野菜でも、生野菜をそのまま与えるというのは生後半年を過ぎるくらいまでは控えた方がいいです。

命の危険があるというほどのことではないのですが、消化不良の原因になってしまいますので出来るだけ身体が未発達の子犬にとって消化しやすいように工夫をしてあげましょう。

犬に食べさせてはいけない野菜まとめ

玉ねぎ・ネギ・アボカド・ニラ・ぎんなん・たけのこあたりまでは基本的に食べさせないようにしましょう。最悪の場合、命を落とす危険があるレベルの野菜です。

何より気をつけたいのはあげるつもりが無くても誤食・誤飲をしてしまうケースです。危険度が高いものを食べてしまった場合は疑わしいというだけでも病院に連れて行った方がいいです。

食べさせてもいいものや、加熱すればOKという野菜でも油断は禁物です。どの野菜も調理方法や摂取量には条件があるので手作りフードなどを用意する場合はかなり神経を使わないといけません。

本当に愛犬の健康を願うのであれば、よくわからないまま自分で与えるよりも、多くの野菜をカバーしているプレミアムドッグフードを検討した方がいいですね。

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